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story 未来に語り継ぎたい名馬物語

未来に語り継ぎたい名馬物語 25

有馬記念連覇の外国産馬
グラスワンダーと融合

須田 鷹雄 TAKAO SUDA

2017年7月号掲載

2歳時は4連勝でGⅠを制し最優秀2歳牡馬に選出されたグラスワンダー。3歳春は故障で戦線離脱したが、その後"グランプリ"を3勝するなど怪物ぶりを発揮した。
※年齢は新表記(満年齢)で統一しています。

    1997京成杯3歳S©H.Imai/JRA

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     グラスワンダーがデビューしたのは、いまからちょうど20年前の97年。まだ20世紀だった当時、「マル外」の持つ意味はいまとは大きく異なっていた。若い読者には、まず当時の状況から説明しなくてはならない。

     71年に活馬の輸入が自由化されて以降、外国産馬は日本の馬産にとって脅威であった。開放を要求する諸外国と、それを拒む馬産地の綱引きは延々と続き、その戦況は混合競走、いわゆるマル混の数に現れていた。

     83年までは持込馬もマル混以外に出走できないという時代が続き、その時点では保護主義の勢いが勝っていたと言える。その後JRAは開放路線に転じ混合競走の数も年ごとに増えたが、それとてただ積極的、能動的な開放だったというわけではない。様々な事情の中で判断された、ぎりぎりの選択だった。

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