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story 未来に語り継ぎたい名馬物語

未来に語り継ぎたい名馬物語 65

新時代の幕を開けたダービー馬
ジャングルポケットが築いた礎

村本浩平 KOHEI MURAMOTO

2021年9月号掲載掲載

21世紀の生産・育成を牽引するノーザンファーム出身のジャングルポケット。
今から20年前のダービー馬の歩みは、名門牧場にとって貴重な財産となっている。

    ©JRA

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     ノーザンファーム早来で調教主任を務める横手裕二にとって、初めて接したダービー馬はフサイチコンコルドだった。それはまだ、ノーザンファームが社台ファーム早来から名を変えて間もない時代である。

     当時、育成スタッフだった横手は、フサイチコンコルドに騎乗してはいなかったものの、併せ馬の相手に騎乗しながら、その凄さを感じ取っていた。ダービーではそのフサイチコンコルドの馬券を購入。払戻金で購入した写真パネルは、今でも横手の自宅に飾られている。

     次に横手が接したダービー馬は、ノーザンファームとして初めてダービーを制したアドマイヤベガだった。入厩前に騎乗の機会が与えられたが、これまで感じたことのないような上質の乗り味をしていたという。それがダービー馬の背中であったことは、何事にも代えがたい経験となった。

     その後、厩舎長となった横手が、管理した初めてのダービー馬がジャングルポケットである。3頭の中では最も関係性の深いダービー馬にもかかわらず、「当時の印象としては、ごく普通の馬でした。しかも、育成中に自分がニューマーケットへ研修に行かせてもらったこともあって、深く関わったのは乗り出しからの数カ月だけであり、帰国した時には既に退厩した後でした」と意外なエピソードを明かす。

    ノーザンファームとして、今年で節目のダービー10勝目をマークしたが、その2勝目がジャングルポケットだった©M.Watabe

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