競馬場レースイメージ
競馬場イメージ
出走馬の様子
馬の横顔イメージ

story 未来に語り継ぎたい名馬物語

    強力なライバルを相手に
    地元でこだました大歓声

    1998年 マーキュリーC ● 優勝 1997年の9月に馬房でのアクシデントがありながら、見事復活。翌年には地元・水沢でダートグレード競走初制覇を果たす©H.Ozawa

    すべての写真を見る(8枚)

     98年1月、明け4歳のメイセイオペラは、川崎記念に挑戦。先行して4着という結果は健闘と言える。しかし菅原騎手は、勝った船橋のアブクマポーロの強さにショックを受けた。これほど凄い馬がいるとは……。

     岩手競馬が冬のオフシーズンに入ると、メイセイオペラは福島県のテンコー・トレーニングセンターへ向かった。歴戦の疲れが癒えると、坂路調教に精を出した。当時、坂路で鍛えられる地方馬はほとんどいなかった。

     春、水沢競馬場に帰ってきたメイセイオペラを見て、菅原騎手は驚いた。トモに筋肉がついて、体全体もひとまわり大きくなり「これほど成長する馬は珍しいぞ」と思った。

     柴田厩務員も、「馬ってこんなに変わるんだな」と目を見張った。肩まわりの筋肉といい、お尻まわりの筋肉といい、別馬のようにたくましく進化している。

     5月のシアンモア記念(水沢)で演じた6馬身差の圧勝劇も、菅原騎手を驚かせた。体だけでなく精神面も成長して、「いよいよ本当のオープン馬になったな」と感じた。

     6月の帝王賞(大井)では逃げを打った。最後はアブクマポーロとバトルラインに交わされ3着だったが、直線半ばまで先頭を譲らなかった。菅原騎手はこう思った。

    「やっぱりアブクマポーロは強い。だけどオペラ自身はいいレースをした。3コーナーで手応えが怪しくなった川崎記念の走りとは全然違う」

     7月のマーキュリーカップ(水沢)は、3コーナーで先頭に立つと、後続を瞬く間に突き放して圧勝。8月のみちのく大賞典(盛岡)は、レコードタイムで大楽勝した。

     次はいよいよ、岩手競馬が誇る大一番、マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡)。船橋のアブクマポーロが参戦を表明し、対決ムードが高まった。アブクマポーロはメイセイオペラを一蹴した川崎記念を皮切りに、ダートの重賞を6連勝中。名手・石崎隆之騎手を背に無類の強さを誇り、“船橋の怪物”と呼ばれていた。

     98年10月10日、盛岡競馬場。南部杯のファンファーレが鳴り響くと、大入りのスタンドから拍手と歓声が沸き起こる。1番人気はアブクマポーロで、2番人気は前年覇者のタイキシャーロック。メイセイオペラは3番人気に支持された。菅原騎手は、「思い切ったレースをして、ファンの期待に応えたい」と考えていた。

     メイセイオペラは好スタートを決めて、難なく先頭に立った。ぴったり折り合って道中を進んだ。直線、メイセイオペラが後続を突き放すと、スタンドはお祭り騒ぎ。地元馬の鮮やかな逃げ切りに、大歓声が弾けた。

     暮れの東京大賞典は、アブクマポーロに交わされて2着。しかし陣営は悲観しなかった。2000㍍の帝王賞や東京大賞典ではアブクマポーロに敗れたが、1600㍍の南部杯では勝利した。つまりメイセイオペラにとっては、マイル戦がベストなのだ。

    1998年 マイルチャンピオンシップ南部杯 ● 優勝 同じ地方所属のアブクマポーロと3度目の対決。過去2回は後塵を拝したが、外連味のない逃げで後続を完封。GI初制覇となった©Y.Maeda

    すべての写真を見る(8枚)

    03
    04