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story 未来に語り継ぎたい名馬物語

未来に語り継ぎたい名馬物語 05

風になった最強の逃げ馬
サイレンススズカの伝説

広見 直樹 NAOKI HIROMI

2015年7月号掲載掲載

"最強の中距離馬"とも言われるサイレンススズカ。勝利したGⅠレースはひとつながら、その走りは、見ている者を唖然とさせるような強烈なインパクトを残したのだった。

    【H.Imai(JRA)】

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     生涯成績は16戦9勝。2着1回。着外6回。クラシックは日本ダービーのみの出走で9着と完敗。そして何よりもGⅠの勲章は宝塚記念1つ。

     この記録だけをみれば、サイレンススズカは名馬のカテゴリーには入るだろうが、「未来に語り継ぎたい」名馬の上位(5位)にランクされるのは不思議だと思う人もいるだろう。

     しかし、いまでもスズカは多くのファンに愛され続けている。そして、その思い出は語り継がれている。

     記録だけでは計り知れない彼の魅力とは何だったのだろう。

     あえて記す必要もないだろうが、他の追随を許さない絶対的なスピード能力。さらに、突然であまりにも哀しすぎる幕引き――。

     だが、これだけでは説明できない。卓越した能力と非業の最期。過去にも、そんな名馬は存在したのだから。

     では、なぜ?

     あくまでも私見だが、スズカは競馬の楽しさ、面白さを私たちに教えてくれた。

     勝負ごとには欠かせない“駆け引き”を一切無視し、天賦の才能だけでスタートからフィニッシュまで先頭で走り抜ける痛快さに、これまで経験したことのないような興奮を覚えた。

     スズカにとって致命的だった精神面での幼さが消え、心身ともに本格化した4歳、私たちは彼の出走するレースを待ち望んだ。馬券を離れ、そのワンマンショーを心の底から楽しんだ。

     そんなレース、スズカにとって15戦目の「毎日王冠」でのファンの熱狂ぶりから物語をはじめることにしよう。

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