優駿2月号 No.986
2026.01.26発売
[永久保存版]
2025年 総集編
ミュージアムマイル
Museum Mile“第三の男”、主役に強豪古馬が集う有馬記念を制し、世代レベルの高さを示した皐月賞馬ミュージアムマイル。2025年3歳世代の牡馬で唯一のGⅠ2勝馬となり、最優秀3歳牡馬の座を勝ち取った。 2025年の中央競馬を締めくくる有馬記念。直線で早め先頭に立った人気薄のコスモキュランダが粘り込みを図る。1番人気レガレイラは後方で前が遠く、2番人気ダノンデサイルも差し脚に鋭さを欠く。ただ一頭、大外から強烈な伸びを見せたのが3番人気の3歳馬ミュージアムマイルだった。急坂でも勢いは衰えることなく、一気に前を抜き去ってゴールイン。皐月賞に続く二つ目のGⅠタイトルを獲得したのと同時に、最優秀3歳牡馬の勲章も手元に引き寄せた瞬間だった。
思えば、ミュージアムマイルはいつも「第三の男」と言うべき立ち位置にいた。
皐月賞も3番人気での勝利だった。大本命のクロワデュノールを負かしたものの評価を覆すまでには至らず、2番人気で迎えた日本ダービーではリベンジを許して6着に敗れた。
セントライト記念1着をステップに臨んだ天皇賞(秋)ではまた3番人気で、同世代のマスカレードボールの後塵を拝して2着。続くジャパンCでマスカレードボールが欧州の強豪カランダガンとタイム差なしの激闘を繰り広げたこともあって、皐月賞馬の輝きが薄れてしまった印象もあったが、暮れの大一番で古馬を打ち負かして実力をアピール、主役の座を奪い取った。
「馬を信じていましたが、自分の管理する馬ではないくらいの嬉しさで、本当に信じられないという気持ちです」
記者会見で高柳大輔調教師は何度も「信じられない」と繰り返した。表彰式が済んだあとでレースから少し時間が経っていたにもかかわらず、自身が育てた馬が成し遂げた大仕事に、まだ感激が収まらない面持ちだった。
勝利に導いたC.デムーロ騎手は開口一番「ドリームカムトゥルー」。相棒と勝ち取った有馬記念の重みを「夢」という言葉で表現した。
短期免許での参戦だが前年秋もコンビを組んでいたので、全10戦中4戦で手綱を取っており、彼なしにミュージアムマイルの活躍は考えられない。ドバイ国際競走に予備登録を済ませるなど、今年は国内に留まらず海外の舞台を展望するミュージアムマイルにとって、世界で戦うデムーロ騎手が心強いパートナーになるだろう。
「去年(2024年)の今頃からずっと成長を続けているので、まだまだ伸びしろがあると思います」
高柳調教師はまだ成長途上であることを強調した。有馬記念にはマスカレードボール、クロワデュノールは不在だった。同世代のライバルたちとどこかで相まみえる機会が訪れるだろう。その時に備えるためにも、歩みを緩める余裕はない。グランプリホースは2026年も進歩を続けていく。
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